ナザールボンジュウ-トルコの「目玉のお守り」は魔除けになる?邪視から身を守る文化と意味

術式体系

青と白の目玉が印象的な「ナザールボンジュウ」を見たことがあるだろうか。

トルコのお土産として知られているため、アクセサリーやインテリア雑貨だと思っている人も多い。
これは、トルコをはじめとする地域で、古くから「ナザール」と呼ばれる邪視、つまり人から向けられる嫉妬や悪意などから身を守るためのお守りとして親しまれてきたものなのだ。

■見た目のインパクト
ナザールボンジュウの特徴は、何と言っても「目」の形!
目には、悪いものを見張り、邪悪なものを遠ざける力があると考えられてきた。
トルコの文化財や伝統を紹介する資料でも、目の形は悪を遠ざける魔除けとしてさまざまな文化に見られ、アナトリアでは古くからガラスによる目の形の魔除けが作られてきたと説明されている。
現在でも赤ちゃんや馬、家の扉など、悪いものから守りたい対象にナザールボンジュウを取り付ける文化が残っている。

■その地で生まれた魔除け
つまりナザールボンジュウは、「幸運を呼び込む」というよりも、まず自分に向けられる悪意や邪視から身を守るという考え方に近い。

これは魔術という視点から見ても非常に興味深い。
人間は、自分に向けられた悪意を完全に避けることはできない。
嫉妬、妬み、敵意、嫌味、悪口。
目に見えないものだからこそ「なんとなく嫌な空気を感じる」という経験をしたことがある人もいるだろう。

だからこそ古い時代から、人々はお守りや護符を身につけてきた。
ナザールボンジュウもその一つなのだ。

■何を求めるのか
そして魔術では、そこからさらに一歩進み、「何を遠ざけるのか」「何を守るのか」「何を引き寄せたいのか」を明確にしていく。

魔除けとは、怖いものを避けるためだけのものではない。
余計なものを遠ざけることで、自分が望む人生に集中するためのものでもある。

恋愛、仕事、金運、人間関係。
幸運を願う前に、自分の人生に入り込んでくる不要なものを整理する。
そう考えると、古くから続くお守り文化と魔術には、意外なほど共通する部分が見えてくるのだ。

■魔除けは、護ってくれるもの。
「運が悪い」
「人からの悪意が気になる」
「嫌なことが続いている」
「自分の運を守りたい」

そんなときこそ、魔除けという古い知恵に目を向けてみてもいい。

ナザールボンジュウが長い年月を越えて人々に愛され続けているのは、そこに「自分の大切なものを守りたい」という、とても普遍的な願いが込められているからなのかもしれない。

■受け継がれ続ける世界の秘術
そして魔術の世界には、さらに強く「守る」「祓う」「結界を張る」ためのさまざまな秘術が存在する。

お守りから始まり、おまもりへ。そして魔術へ。
自分の人生を、自分自身の力で守る。

それもまた、古くから人間が繰り返してきた願いなのである。