広く知られていないが、本日10月17日は「貯蓄の日」。
お金を貯めることについて考える日……と思うと、なんだか少し現実的な話に聞こえるかもしれない。
けれど、この記念日が日本で制定された背景を知ると、少し印象が変わる事だろう。
貯蓄の日が制定されたのは1952年。
その由来となったのが、毎年10月17日に伊勢神宮で行われる「神嘗祭(かんなめさい)」だ。
神嘗祭では、その年に収穫された新穀を神様に奉り、実りに感謝する。
貯蓄の日の根底にあるのは、「お金をたくさん貯めましょう」という考えだけではない。
一年間働いて得たものを大切にし、実りを無駄にせず、次へつないでいく。
そんな「豊かさを大切にする」という考え方なのだ。
魔術の世界では、金運というと「お金が入ってくること」に注目しがちだ。
臨時収入。昇給。宝くじ。思わぬプレゼント。
もちろん、そうした「入ってくる豊かさ」を願うのもひとつの方法だろう。
けれど、本当の意味で豊かになるためには、入ってきたものを受け取り、そして大切にすることも必要なのではないだろうか。
いくらお金が入ってきても、すぐに出ていってしまえば、手元には何も残らない。
魔術的に表現するならば、「豊かさを呼び込むこと」と「豊かさを留めること」は別の力。
そんなふうに考えることもできるのだ。
たとえば、財布の中を一度整理してみる。レシートを何枚も詰め込んだままにしない。使っていないポイントカードを整理する。お札の向きを揃える。
そして、自分が今持っているお金を見てみる。
「これだけしかない」と考えるのではなく、「これだけの豊かさが、今の私のところに来てくれている」と考えてみる。
金額の大小は関係ない。100円でも、1,000円でも、給料でも、誰かからもらったお金でもいい。
お金を「失うもの」ではなく、「自分のもとへ巡ってきた豊かさ」として一度意識してみる。
それだけでも、お金との付き合い方は少し変わるかもしれない。
そして、貯蓄の日だからこそ、ほんの少しだけ「残す」ことを意識してみる。
大きな金額を貯める必要はなければ、無理な節約をする必要もない。
たとえ少額でも、「これは未来の私のために残しておく」と決めて、別にしておく。
魔術では、意志を形にすることが重要だと考えられることがある。
頭の中で「お金が欲しい」と思い続けるだけではなく、実際に行動として何かを残してみる。
その行動そのものを、自分の豊かさに対する意思表示として捉えるのだ。
さらに面白いのが、2026年10月17日は「甲子の日」でもあること。
甲子は六十干支の最初にあたるため、暦の世界では物事の始まりと結びつけて考えられている。
豊かさを「これから育てていく」と考えるには、なかなか面白い日だ。
今日から始める。少額でも残してみる。財布を整理する。お金の使い方を一度見直す。
そして、何よりも、今すでに持っているものへ改めて感謝する。
大切なのは、「お金がないから貯められない」と考えることではない。
今あるものを大切にすることから始める。
それはお金だけではなく、時間も、人との縁も、仕事も、才能も、今まで積み重ねてきた経験も同じ。
豊かさとは、たくさん持っている状態だけではない。
自分のもとへ来たものを認識し、大切に扱い、次へつないでいけるかどうかが大切だ。
秋は収穫の季節。
植物が春に芽を出し、夏に育ち、秋に実をつけるように、人間の暮らしにも「育てて、実らせ、残す」という循環がある。
だから10月17日の貯蓄の日は、単純に「節約しなければ」と考える日ではなく
「私は今、どんな豊かさを持っているだろう?」と考える日にしてみてはいかがだろう。
今此処に在るモノの価値に気づき、それを育て、望む未来へつないでいくこともまた、ひとつの「豊かさの魔術」。
秋に実ったものを次の季節へ残すように。
今の小さな蓄えが、未来の自分にとって大きな豊かさへと育っていくかもしれない。
