「インボルク」~豊饒の女神と恵の祭典~
凍えるような冬から目覚め、春の訪れを告げる神聖なる瞬間。
ケルトの地において「腹の中」を意味するこの言葉は、生命の再生と新しい季節の始まりを意味している。
寒く暗い冬の時期が終わり、やがて訪れる春への扉を開くこの日こそ、魔術と祝祭が交錯する神秘の時。
共にこの瞬間を祝い、大いなる力を授かろう。
この祭りの中心に存在するのは、あたたかな女神の魔力。
彼女は「火」と「豊穣」の女神として、暗き冬を乗り越え、光の季節へと導く力を持つ。
生命の復活を祝うこの日、彼女の力は魔術において欠かすことのできない強大なるエネルギーとなり、冬の終息と春の到来を祝う儀式に欠かせない存在。
今まさに暗闇の最中に居る者を救う効果も絶大。共に祈りを捧げ、大いなる魔力を授かろう。
今回のサバトでは、日に日に強まる日光に感謝を捧げると共に、食べ物を供える。
バターや牛乳といった乳製品、ブレッドでテーブルを飾り、その温かさが新しい季節の兆しを象徴する。
そして、ロウソクが灯される事で、儀式は完璧に整う。
再び訪れる暖かさ、そして太陽の力が強まってゆく恩恵を感じ取りながら、未来への縁起を大いに祝おう。
さらに、この祭りに欠かせないのが「ブリデオグ」。
光の季節が半分を占めるこの時期において、ブリデオグは冬の闇から春へと人々を導く象徴的な存在。
人形として形作られたブリデオグは、その力が未来の恵みと安らぎを与えるものとして、祭りの間に尊ばれる。
そして、祭りが過ぎた後も彼女は団欒の空間や壁に掛けられ、1年を通して癒しと保護の力を授けてくれる存在として、大切にされる。
参加者には、儀式の一連の流れが凝縮された「クロスプレート」を配布する。プレートに十字の線を引き、ブリジット十字を完成させよう。
これにより、手持ちの人形(ぬいぐるみ)に女神の魔力を憑依させる事が出来る。
魔術師にとって、そして貴方にとっても、これはただの祭典では無い。
春の息吹が満ち、暗き時代が過ぎ去ることを告げる、永遠に続く生命の循環と魔術の儀式なのだ。
希望の魔力と共に、貴方の元にも春が訪れ、豊かな恵みと力が注がれる奇跡を、共に体感しようではないか。